株式会社トロイカ代表取締役社長大橋賢治さんのインタビュー

今回のインマイバッグインタビューは、InMyBagを立ち上げた、株式会社トロイカ代表取締役社長の大橋賢治さんです。2011年12月に事業譲渡を行い、現在は中古車の個人間売買サイト「CARTOGO(カルトゴ)」を運営しています。InMyBagの誕生秘話や大橋さんのCtoCビジネスに対する考え方をお聞きするとともに、バッグの中身を拝見させていただきました!
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※大橋さん:以下大橋、インマイバッグ:以下IMB

IMB
バッグの中身を共有するソーシャルサイト「インマイバッグ」は、どのような発想から生まれたのでしょうか。「インマイバッグ」を構想したきっかけや立ち上げの経緯についてお聞かせいただけますでしょうか。
大橋
ある体験がきっかけでした。2008年頃、docomoのBlackBerryを使っていて結構気に入っていたので、新機種のBlackBerryBoldが発売されたときECサイトで製品の写真を見たり、店頭でモックを触ったりしていました。でも、どうもしっくりこなくて、そのときは欲しいと思わなかったんです。その後、たまたま「Flickr(フリッカー)」という写真共有サイトを何気なく利用していたときに、「BlackBerryBold」の写真もあるかなと思って検索してみたんですよ。そうしたら、女性のバッグの中身の写真が出てきたのですが、色々なアイテムと一緒に写っている「BlackBerryBold」を見たときに、なぜか欲しいと思ってしまったんですね。一般の方がサイトに公開した写真で、取り立てて綺麗に撮られていたものでもなかったのに、ほぼ0%だった購買意欲が40%くらいに上がったんですよ。「この感覚は何だろう?」とすごく気になったので、その理由を考えてみたんです。
そこで、色々なECサイトを見てみたら、どのサイトでも同じような写真が掲載されていることに気付いたんです。通常、ECサイトでは綺麗な商品写真を掲載するのがセオリーじゃないですか。でも、どこも同じ写真であれば、ユーザーにとっては、価格やレビューの方が気になるんじゃないかと思ったんです。僕がFlickrで見たバッグの中身の写真は、公開した女性が所有しているモノの集まりです。わざわざ写真を公開しているので、所有者自身が良いと思っているモノである可能性が高いと推測できます。ということは、バッグの中身の写真自体が「無言の商品レビュー」になっているのではないかと思ったわけです。
僕は、店頭に足を運ぶほど「BlackBerryBold」に関心を持っていたのですから、バッグの中身の写真を見たときに、一度低下した購買意欲が「やっぱり良いかも」と掻き立てられたのではないかという仮説を立てたのです。
そこで、バッグの中身の写真をたくさん集めたサイトを作れば、ユーザーはサイトを通じて様々なモノを発見することができ、販売者はユーザーの購買意欲を高めることができるサービスになるんじゃないかと考えました。加えて、欲しいモノを探しているユーザーが様々なモノの写真を見るために、必ず立ち寄ってもらえるサイトを作ることができれば、購買意欲が高まったユーザーとECショップをつなげることで収益化できると思い、インマイバッグを立ち上げました。
IMB
確かにインマイバッグで他人のバッグの中身を見ていると、「これいいな」と感じるモノとの出会いが結構ありますもんね。それに、同じ職業の人がどんなものを持っているのか知ることができる点も面白いですよね。ところで、大橋さんはインマイバッグを立ち上げる前にはどんな仕事をされていたのでしょうか。また、ファッションへの関心はいつ頃から持たれたのでしょうか。
大橋
高校の頃からファッションは好きでしたね。大学時代は、中古車販売店でアルバイトをしていました。それがきっかけで、1996年に地元の名古屋で中古車販売店を開業して、しばらく経営していました。僕が起業した頃から1998年頃にかけて、徐々にインターネット業界が盛り上がってきていたのを見ていて、「将来、車もインターネットで売れる時代が来る」と思ったんですよ。でも、当時はインターネットビジネスに関する知識も経験もなかった。それで、上京してIT系の企業で働き始めました。ところが、働き始めたらITバブルが崩壊してしまった。あれだけ盛り上がっていた業界が一瞬で萎んでしまったので、IT業界で事業をやるのは難しいんじゃないかと思ってしまいました(笑)。どんな事業をやるかもう一度考え直さなきゃならないなと思って、いったん名古屋に戻ってきたんです。
ちょうどその頃、「Dolce&Gabbana」のクラッシュジーンズを雑誌で見たのですが、どうしても欲しくなってしまいました(笑)。全国のありとあらゆるショップに問い合わせたのですが、どこも売り切れで。ヤフオクで検索したらプレミアムがついていて、定価が1本3万円のジーンズが2倍以上の値段を付けていました。当時は、Dolce&Gabbana Jpanが設立されていなくて、大阪の三崎商事さんが輸入元をしていたんです。人気に火が付き始めていたのですが、どうやら在庫が足りていなかったようでした。
僕自身、その頃は時間もありましたし、事業をやるために溜めた300万円ほどの資金もありました。ヤフオクの過熱ぶりや国内の品薄状態をみて、これはビジネスチャンスだと思ったんです。「こうなりゃ、海外まで買い付けに行っちゃおう」とミラノに向かったんです。
ミラノに着いたら、早速、初日にDolce&Gabbanaのミラノ店に行き、ありったけのクラッシュジーンズを購入したいと申し出ました。さすがに、よくわからない日本人がいきなり来て店の商品を全部買いたいと言ったものだから、ミラノ店のマネージャーがかなり驚いていましたね(笑)。そうしたら、実は明日、最新モデルが入荷するから来ないかと言われて・・・。もちろんOK、と答え、次の日も大量のジーンズを仕入れたんです。やっていたことはすごく単純で、3万円で買ったジーンズをすぐにヤフオクにアップして売れるのを待つだけ。最低でも15万円、最高25万円で売れましたから、相当儲かりましたね。当時のヤフオクでは、僕のアカウントは超人気で、山のように積み上げたクラッシュジーンズをドーンと見せるような写真を撮って「こんなにあるぞー!」という感じで掲載していました(笑)。2週間くらいミラノに滞在して大量に仕入れてヤフオクで売り、最新作が出たら、またミラノに飛ぶということをしていました。3回目くらいにはDolce&Gabbanaでも日本での大ブームに気付いたようで、マネージャーの方と仲は良かったのですが、1人1本しか売れないんだと言われてしまいました。さすがに、ミラノだけで仕入れるのは厳しいなと思い、ヴェローナやフィレンツェなど他の地域の店に行ってなんとか集めてきては販売を続けていたのですが、最終的にはイタリアの全店で出入り禁止になってしまいました(笑)。半年くらいは地道に続けていましたね。そのあたりの話はstorys.jpに詳細を公開していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。
IMB
すごいお話ですね。Dolce&Gabbanaの輸入販売をやめた後、2006年3月に株式会社トロイカを設立して、インターネットを活用した中古車流通事業に取り組み始めるまで少し期間がありますが、この間はどうされていたのでしょうか。
大橋
インターネットに興味を持った頃から、将来必ず車がネットで売れるようになると思っていたのですが、輸入販売をやめた2001年頃は、事業として取り組むには時期尚早と思ったんですね。それで、地元で飲食店を経営しながら、来るべき時に備えてリサーチを続けていました。2005年頃になると、ヤフオクにも車の出品が目立つようになってきていたので、そろそろ始めても良いタイミングではないかと思い、2006年にトロイカを設立しました。
IMB
トロイカさんでは、昨年、中古車の個人間売買(CtoC)サイト「CARTOGO」を立ち上げられました。サイトの立ち上げから現在までの経緯と、今後の展開について教えていただけますでしょうか。
大橋
ご存じの方も多いと思いますが、中古車情報サイトでは「カーセンセー」と「goo」が圧倒的に強くて「2強」と言われています。CARTOGOのサービスモデルを考えていた頃、この「2強」と同じことをこれから始めても、そうそう勝てるものではないと思っていました。「カーセンサー」や「goo」もそうですが、従来の中古車情報サイトは、事業者からの広告掲載数を増やして、費用をかけてユーザーを集めるというモデルです。そこで、CARTOGOでは従来のやり方と逆のアプローチでサービスを立ち上げようと思ったんです。「ぐるなび」と「食べログ」の違いと言いますか、「食べログ」のように最初は事業者からの広告掲載をいただかずに、ユーザーを先に集めようと考えました。その上で、ユーザー同士でしっかりと売買してもらえる仕組みを整えようと考えたんです。そのため、現在でも、それほど中古車の掲載台数を増やすことにはこだわっていないんです。それよりも、掲載台数とユーザー数のバランスに気をつけて、成約率を高めていくことを重視しています。そのような考えで、1年間運営してきて、ようやく月に50台~80台が成約するようになってきました。
今後は、売買のサイクルをいかに早くして、いかに増やしていくかということに注力していきます。また、継続的にサイトを利用いただくための仕組みが欠かせないと考えています。10月25日の日経産業新聞の1面で取り上げていただいたのですが、車関連のクラウドソーシングサービスを始めます。これは、個人の方が空いた時間を使って、車に関する様々な仕事やサービスを提供することができるようにするものです。例えば、「忙しい方の代わりに、洗車やオイル交換に行きますよ」とか「来週から1週間ほど旅行に出かけて、駐車場が空くから、誰かに貸しますよ」とかでも良いわけです。車に詳しい個人の方でしたら、営業車両をたくさん保有している企業から直接メンテナンスの仕事を受注するということもできるようになると思います。
IMB
戦略的で面白い取り組みですね。クラウドソーシングの話が出ましたが、CARTOGOをはじめ、個人が直接サービスの提供やモノの販売ができる様々なサービスが増えています。ソーシャルメディアの拡大、個人間の取引には消費税が課税されないというメリット、環境への意識の高まりなどがあると思いますが、中でも個人間取引(CtoC)向けのサービスがどんどん生まれています。大橋さんは、今後、CtoC市場はどのように発展していくとお考えでしょうか。
大橋
確かにCtoC市場が盛り上がっていますね。個人的には、CtoCという言葉の定義が難しいなと感じるのですが、例えば、マーケットプレイスサイトで、高い頻度で複数の出品をしている個人は、法人ではないが立派な個人事業者ではないかと思うんです。それって、考え方によってはBtoCとも言えるんじゃないかと。運営側としては、あまり気にしなくても良いことだと思いますが、CtoCサービスが活性化してくると企業も混じってくるように思います。感覚的には、出品される商品の内、8割くらいがBになるのではないかと思います。
今のところは、オールジャンルをカバーしていて、圧倒的なユーザー数を誇る、ヤフオクさんがやはり強いなという印象ですね。それでも、ターゲットを女性に絞ったり、取り扱う商品カテゴリを絞ったり、スマホで簡単に出品できるように機能性や利便性を高めたりすることで、差別化を図ったCtoCサービスがどんどん生まれ、伸びています。市場成長は勿論のことですが、各社のCtoCサービスがどのように変化していくのか、今後の動向がとても楽しみです。
IMB
大変貴重なお話をいただき、ありがとうございました!
それでは気になる「バッグの中身」を拝見させていただけますか?
大橋
そうですね、じゃぁバッグからいきますか。これは、INCASEのバッグです。インマイバッグのインタビューに出ているファッションデザイナーの野田源太郎くんが、デザインディレクションに関わったと言っていました。
IMB
結構がっしりしていますね。相当色々なものが入りそうですね。いつもリュックなんですか?
大橋
そうなんですよ。Macを使っていて、普段から持ち歩いているので、がっしりしたバッグを好んで使っています。もともとは手提げカバンを使っていたのですが、ノートパソコンを入れて都内を動き回ると結構重たくて。昔はMac自体がもっと重かったですし、腰を悪くしちゃったんですね。リュックは腰に良いと聞いたので、変えました(笑)。
IMB
インマイバッグでもMacユーザーが多いんですよね。大橋さんはいつ頃から愛用されているのでしょうか。
大橋
10年以上前からになりますね。使いやすいんですよね。昔はWindowsのPCとMacでは、ソフトの互換性が悪かったのですが、今ではMacのアプリケーションは、Windowsのエクセルやパワーポイントなどとも互換性があり、仕事相手のOSを意識することなく使えるようになったので、さらに使い勝手が良くなっていますよね。
IMB
メガネも色々入っていますね。何かこだわりがあるのでしょうか。
大橋
いつもコンタクトなんですが、目が疲れてくるとメガネにしたり、雰囲気を変えたいときにかけたりします。黒いフレームのものはクレイドルの「EFFECTOR(エフェクター)」で、サングラスはSABRE(セイバー)です。実は、SABREを最近まで「サブレ」って呼んでいたんですが(笑)、知人の起業家に「たまにサブレって読む人がいるんだよね」って言われて、初めて「セイバー」だと知りました(笑)。こだわりというほどではないのですが、メガネは好きな方だと思います。
IMB
スマホやガラケーなどガジェットもたくさん入っていますね。
大橋
インターネットサービスを提供しているので、スマホは必須アイテムですよね。ガラケーは、本当はなくても良いかもしれないのですが、古いiPhoneからiPhone5に変えたときにプランが変更されて、通話料が急に上がってしまって(笑)・・・。ケータイショップの店員さんに勧められたこともあり、ガラケーは通話専用で使用しています。
スマホのカバーは、mophie juice packというバッテリーパック付きのiPhoneケースです。駆動時間が2倍になります。少しずっしりしているんですけど、僕は好きですね。利便性の方が勝るので使っています。それに、ケースがあれば落としても大丈夫でしょ(笑)。
大橋
あとはインタビュー用のレコーダー。実際に使うことはほとんどないのですが、いつどんな出会いがあるか分からないですし。いつでもインタビューができるようにスタンバッてます(笑)。それと、写真をよく撮るので、外付けハードディスクを持ち歩いて保存するようにしています。
IMB
常に準備しているんですね。見習います(笑)。ところで、この革の名刺入れもオシャレですね。何の革でできているのでしょうか。
大橋
これは、土屋鞄さんの名刺入れで、馬の革でできています。トロイカを創業した頃に購入しました。トロイカは、toroika(三頭の馬車)とcar(車)にちなんでつけた社名なんです。それで、馬の革のものを選んで使っています。
IMB
おぉ、とてもこだわりを感じます。
トロイカさんでは、CARTOGOを軸にどんどんサービスを拡大されていかれることと思いますが、先日、当社からリリースさせていただいた通り、大橋さんには、CtoCビジネスのリサーチや研究などをするISC(Institute of Social Commerce)の初代所長に就任いただきました。是非、インマイバッグの創業者として、またISCの所長としてユーザーに何か一言いただけますでしょうか。
大橋
そうですね。では、一言だけ。CtoCサービスの利点は色々あるわけですが、誰もが個人で手軽に商売を始めることができるようになったことが、ECを含めた従来の商売の在り方と大きく違う点だと思うんです。たくさんのサービスが生まれていますので、今後はより一層、個人で商売を始めやすくなると思います。その結果、買う方にも多くのメリットがもたらされます。
アメリカでは個人間売買がそれなりに普及しているようですが、日本では、まだネットでモノを売ったことがないという方も多いと思います。やってみると結構楽しいので、まだCtoCを体験したことがない方は、是非CtoCサービスを利用してみてください。
IMB
ユーザーへのメッセージありがとうございます!インマイバッグでもCtoCの機能を追加していきますので、当社からも是非とお伝えしたいです!本日はお忙しい中、大変ありがとうございました。
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